外耳炎について

2022/10/07

今回は診療でよく遭遇する外耳炎のことについて書いてみようと思います。

外耳炎とは、その名の通り、耳介から耳道までの耳の炎症の病気のことです。

耳を痒がる、耳がにおう、耳が赤くなっているということでオーナー様が気付いて、来院されることが多いです。

犬や猫は耳の中が痒くても、中までは掻くことができません。

そのため、かなりストレスになってしまいます。

耳介を掻き壊して、出血していることもしばしばです…。

 

外耳炎で来院された場合の流れを大まかに書いてみますね。

①診察

耳鏡で耳の中を診たり、耳のにおいをチェックします。

耳鏡では、耳道の様子や鼓膜の状態、耳垢の有無がわかります。

②検査

耳垢がある場合は耳垢を調べます。

細菌、マラセチア(酵母様真菌と呼ばれる、微生物です)、耳ダニなどの外耳炎の原因となるものがないか顕微鏡で確認します。

③処置

耳の中が汚れている場合は耳洗浄を行います。

耳垢を溶解する成分を含んだ洗浄液などを用いて、耳垢をふかやしながら優しく除去していきます。

鼓膜に異常が見られるときは、洗浄液は用いずに生理食塩水で拭う程度にとどめることもあります。

④処方

点耳薬での治療が第一選択となります(耳ダニの場合は駆虫薬を使います)。

痒みや炎症がひどい場合は、内服薬を使うこともあります。

鼓膜に異常がある場合は、点耳薬ではなく内服薬を用います。

家での点耳薬が難しいという場合は、1回の点耳で1週間効果が持続する点耳薬や、なんと4週間も効果が持続する点耳薬もありますので、お気軽に相談してくださいね。

繰り返す外耳炎や、なかなか完治しない外耳炎の根底にはアレルギーやアトピーが潜んでいることもあります。

その場合は、アレルギーやアトピーの治療が必要となることもあります。

以上が、ざっくりとにはなりますが、治療の流れになります。

 

じめじめした季節や暑い季節は耳の病気が増えやすい時期!

当院では耳洗浄(耳そうじ)のみでもやっておりますので、ぜひ予防的に利用してくださればと思います。

爪切りや肛門腺絞りと同じような感覚で、気負わずに利用してください。

爪切りや肛門腺絞りと一緒にセットで処置されるオーナー様も多いです(セットだとお安くなります)。

動物もオーナー様も、お互いに快適に過ごせますように。