こんな症状はありませんか
- お口が臭い、ニオイが強い
- 歯ぐきが赤い
- 歯ぎしりをする
- お口を気にする
- よだれが多い
- 硬いものを食べない、食欲がない
上記の症状に心当たりがある場合は愛犬、愛猫が歯周病にかかっている可能性があります。
歯科の病気について
診察で「虫歯ですか?」ということをよく聞かれますが、実は犬や猫には口腔内の酸性度の違いから歯の先端から溶けてくるう蝕(虫歯)は多くありません。逆に歯の周囲組織である歯肉や歯を支える骨などに炎症が起きる歯周病が多くみられます。また、犬や猫などの肉食動物の歯の形は肉を切り裂くために尖っていて、上下の歯同士は接触せずすれ違いの構造をしています。イメージとしてはハサミのような機能しかありません。このように人とは大きく異なる口腔内環境のため、病気の種類やデンタルケアの仕方も人とは異なってきます。
よくある口腔疾患
歯周病
歯を支える組織歯肉や歯を支える歯槽骨の炎症で、口の中には細菌がたくさん存在しているため多くが感染を伴います。犬や猫の多くが罹患していて、症状の軽いものは歯肉の腫れだけだったりしますが、進行すると骨が溶け歯が抜けたり、顔が腫れる、鼻へ穴が開く口腔鼻腔瘻が認められ鼻水、くしゃみなどの症状も認められます。歯周病は歯に付着する歯石が原因となるため、歯石予防するための歯みがきが重要となります。
乳歯遺残
乳歯が生え変わる時期を過ぎても残ってしまう状態で、歯石がつきやすくなったり、永久歯の不正咬合を引き起こすことがあります。猫にはほんとんどみられず、犬でも小型犬や短頭種に良くみられます。犬や猫は上下がすれ違いの咬合になるため、永久歯のかみ合わせに問題がでるようであれば早期に抜歯する必要があります。
当院での歯科治療
歯みがき、歯みがき指導
歯みがきを院内で行ったり、歯みがきの練習をします。歯みがきができるようになることが歯周病の一番の治療となります。歯みがきを嫌がらない、継続できることが非常に重要となるので無理やり行っても成果があがりません。小さい時期から楽しく行えるように一緒にがんばりましょう。
歯石とり
無麻酔下で押さえつけて歯石をとることは口を触られることを今後嫌がるようになってしまったり、歯周病の原因となる歯周ポケット(歯と歯肉の間)の掃除が痛みによりできないため、無麻酔下での歯石とりは推奨されていません。当院でも基本麻酔下での処置となります。歯石除去行い歯表面を研磨し今後の歯石の付着を遅らせる処置も同時に行います。
抜歯
全身麻酔下で抜歯を行います。レントゲン検査や歯周ポケットの深さを計測し、温存が難しい歯は抜歯します。抜歯後は歯肉を洗浄し吸収の早い糸で縫合します。