動物と人間が安心して共生するために病気の予防が必要です。
犬と猫との暮らしで気を付けていただきたい予防の話をお伝えします。
犬の予防
1. 狂犬病予防接種
狂犬病は、狂犬病ウイルスを持っている動物の、唾液を介してうつる(咬まれてうつる)伝染病です。 病名に、「犬」という字が入っていますが、哺乳類全般に感染する可能性があります。当然、人間にも感染します。海外では、コウモリやキツネ、アライグマなどの野生動物からの感染も、問題になっています。かかってしまった場合、異常に興奮して狂ったようになる、麻痺する、呼吸困難に陥る、昏睡状態になる、などの神経症状が出て、ほぼ100%の確率で死に至ります。
そのような恐ろしい病気のため、狂犬病予防法という法律で狂犬病の予防注射は年に1回接種が義務付けられています。
当院でも狂犬病の予防接種が可能です。
市区町村から届くハガキを持ってご来院ください。
(初年度登録がまだお済でない場合はハガキは不要です。)
※ 狂犬病予防接種とフィラリア検査は同日に実施可能です。
※ 狂犬病予防接種とワクチン接種は同日にはできません。
2. 混合ワクチン接種
狂犬病以外にもジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬レプトスピラ病など死亡率が高く、怖い病気があります。
発病後50~90%の高確率で死亡する感染症もあります。これらの病気は治療も難しく重症化すると
当院では6種及び10種類の病気を予防できるワクチンをお勧めしています。
特にお外で飼われていたり、お散歩が好きなワンちゃんは感染する病気の数も多くなります。
1歳未満では合計で2~3回、1歳以降は毎年1回の接種が必要です。
※接種後、元気や食欲がなくなったり、軽い発熱、うんちがゆるくなる、などの症状がみられることがあります。ほとんどの場合は治療せずに改善しますが、気になる様子が見られるようでしたらご連絡をお願いします。
まれに、高熱、嘔吐、下痢、けいれん、顔面の腫れ、かゆみなどの異常(重度のアレルギー反応)がみられる場合があります。このような場合は命の危険を伴う場合もありますので、すぐに病院へ連絡をお願いします。
ワクチン接種は、万が一副作用が出た場合でもその日のうちに処置できるように、午前中か午後の早い時間に受けることをお勧めしています。
3. フィラリア予防
気温が温かくなると蚊が出てきます。
フィラリア症は蚊が媒介して起こる病気ですが、予防さえしていればほぼ100%防ぐことが出来る病気です。
フィラリア予防には血液検査でフィラリアに感染していないことを確かめてから、フィラリア予防を始めていきます。
当院のある地域では4月から12月の計9回の予防をお勧めしています。
※ フィラリア予防の前には、毎年検査することが必須です。
(子犬は産まれた時期によって、検査の必要性が異なりますので獣医師にご相談ください)
フィラリア検査時には、健康診断も一緒にしておきましょう
1回の採血で、フィラリア検査を行う際に、同時に健康診断もすることができます。
当院ではいろんなタイプのお薬を取り揃えているので、その子に合ったお薬を選んでいただけます。
ノミ・ダニ・フィラリア予防が一緒になったタイプもあります。
フィラリア予防薬について
現在、フィラリア予防薬には①錠剤タイプ、②チュアブルタイプ、③タブレットタイプ、④滴下(スポット)タイプ、⑤注射タイプの5種類があり、各予防薬ごとでメリット・デメリットがあります。
1つでノミ・マダニ予防を同時に行えるオールインワン予防薬もあります。
予防薬を投与する目的は言うまでもなく感染予防です。
そのため、ワンちゃんが予防薬を確実に飲んでくれるかが重要です。
飼主様が予防薬をあげた後、見ていない場所で吐き出してしまうこともあるため、薬成分の安全性はもちろん、確実に予防を行えることを目的としてフィラリア予防薬の選定を行っています。
おやつ代わりにあげられるお薬で喜んで食べる子が多いお薬が当院では最も選ばれています。同じ予防を行うのであれば、ワンちゃんが喜んでくれる方法が良いですね。
予防薬の得手・不得手はワンちゃんによって異なりますので、ご不明点は診察時にお気軽にご相談下さい。
4. ノミ・ダニ予防
ワンちゃんにとって、ノミ・ダニは皮膚炎やアレルギーの原因だけではなく、病気をも引き起こします。
ワンちゃんについたノミやダニが飼主様を刺すことで、人にも感染する人と動物の共通感染症を引き起こすこともあります。
ここ数年日本国内感染が確認され、人の死亡例もある恐ろしい病気、SFTS(重症熱性症候群)などもその1つです。
室内であればノミは1年中活動しています。
一方ダニは、冬でも一部の種類は活動しています。
そのためノミ・ダニ対策には通年の予防がおすすめです。
様々なノミ・ダニの駆虫薬がありますが、お薬の成分や持続効果は同じではありません。
おうちの子にあったお薬をアドバイス致しますのでお気軽にご相談ください。
猫の予防
1. 混合ワクチン接種
当院では3種と5種の病気を予防できるワクチンをお勧めしています。 お外で飼われていたり、お散歩に出歩くことが好きなネコちゃんは感染する病気の数も多くなります。
2. ノミ・ダニ・寄生虫予防
ネコちゃんにとっても、ノミ・ダニは皮膚炎やアレルギーの原因だけではなく、病気をも引き起こします。
また、ネコちゃんに付いたノミ・ダニは飼主様も刺します。
ノミ・ダニが「今ついていないから大丈夫」ではなくて、「付かないように」予防を徹底しましょう。
条虫、回虫などの寄生虫からネコちゃんと飼い主さんを守るために、駆除薬の定期的な投与が必要です。
3. フィラリア予防
気温が温かくなると蚊が出てきます。
フィラリア症は蚊が媒介して起こるワンちゃんでは有名な病気ですが、実はネコちゃんも感染することがあります。
ネコちゃんのフィラリア症の症状も発咳や呼吸困難なのですが原因がワンちゃんとは異なり、フィラリア幼虫が死滅した時に肺血管や肺間質に急性炎症を起こす「犬糸状虫随伴呼吸器疾患(通称HARD)」と呼ばれる呼吸器疾患によるものと言われています。
ネコちゃんは感染すると、治療方法がないのが現状です。
フィラリア症は蚊が媒介して起こる病気ですが、予防さえしていればほぼ100%防ぐことが出来る病気です。 予防できる病気は未然に防いで、ネコちゃんを健康でいさせてあげてください。
1回の採血で、フィラリア検査を行う際に、同時に健康診断もすることができます。
当院ではいろんなタイプのお薬を取り揃えているので、その子に合ったお薬を選んでいただけます。
ノミ・ダニ・フィラリア予防が一緒になったタイプもあります。